カジノ問題Q&A

カジノ合法化 に関する よくあるご質問

私たちは、人、まち、社会を破壊するカジノ賭博合法化に反対します。
また、現存ギャンブルにより生じている被害の回復と、新たな被害が生じないための仕組みを講じることを求めます。

1. カジノ賭博合法化法とは、どんな法律ですか?
カジノ賭博合法化法は、正式名称「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」であり、「観光及び地域経済の振興・・・財政の改善に資する」ことを目的として(1条)、 刑法上の犯罪である賭博であるカジノ賭博を、一定の条件のもとで合法化することを推進するための法律です。
2. カジノ賭博合法化法がめざすカジノ賭博場の設置、運営主体は、どうなっていますか?
カジノ賭博合法化法が想定するカジノは、「民間事業者が設置、運営をする」ことが想定されています。
したがって、カジノ賭博合法化のあかつきには、日本で初めて、完全に民設、民営の常設賭博場が一定の条件のもとで公認されることになります。
3. 実際にカジノ賭博場が設置されるまでの流れはどうなっていますか?
カジノ賭博合法化法は、合法的カジノ賭博場設置という大目標と、それに関連する基本的な事項を定めるプログラム法にすぎません。 したがって、今後、カジノ賭博場を実際に設置、運営するために必要な事項を定める法律(実施法)等の整備が別途必要になります。
これらの法律等の整備は、カジノ賭博合法化法が施行された平成28年12月から一年をめどに行なうとされています。 そして、その後、カジノ賭博場誘致を希望する地方自治体等の申請に基づいて、国が認めた場合に、初めてその区域にカジノ賭博場を開設することができることになります。
4. IRとは何ですか?
Integrated Resort の略で、統合型リゾートと訳されることが多いようです。 合法化法上に定義されている「カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設」が、まさにIRです。
5. ギャンブル依存症とは何ですか?
ギャンブルを渇望し、それをしたいという衝動を抑えることのできないという症状を呈する病気であり、世界保健機関(WHO)においても、精神疾患のひとつとして扱われています。
ギャンブル依存症は、いったん発症すると完治することは難しく、また、「否認の病気」といわれていて、自らそれと自覚することが困難です。 (ただし、ギャンブラーズアノニマスなどの自助グループ等の利用をすることにより、ギャンブルをしないで過ごし続けて「回復」の道を歩まれている方もいらっしゃいます。)
2014年には、我が国の成人人口の約5%、約536万人もの人がギャンブル依存症であるとの推計結果が公表されました。
6. カジノ賭博によってギャンブル依存症になっても自己責任ではないでしょうか?
もっとも厳しいギャンブル規制を行なっている北欧諸国においても、1、2%程度のギャンブル依存症者を生み出し続けていることからすると、 ギャンブル産業が顧客に対しそのサービスを提供する限りギャンブル依存に陥る人が当然に発生するということがいえます。
一定の顧客が必ず病気になるわけですから、それは顧客の努力ではいかんともしがたいものであり、それを顧客の自己責任に帰するのは適切ではありません。
また、ギャンブル産業は、一定の顧客が必ず病気になるサービスを提供して利益を受けているわけですから、そうしたギャンブル産業、そして、それを容認する国や社会が、病気になった方の治療や回復の援助をすることは当然のことです。
7. 多重債務の問題の再燃とは
カジノ賭博場が存在するシンガポールではローンシャーク、韓国ではサチェと呼ばれるヤミ金が跋扈しており、彼らはカジノの賭け金を顧客に貸付けたりしています。
一方、日本では、貸金業法改正等の官民一体となった多重債務対策が功を奏し、多重債務者が激減してきました。
しかし、貸付金の総量規制が及ばない銀行系カードローンの貸出残高が急上昇したことにより、平成28年には自己破産の申立件数も13年ぶりの上昇に転じました。
カジノ賭博場の設置は、顧客がカジノに投ずるための資金需要を生み出し、以上のような傾向に拍車をかけ、多重債務問題が再燃する現実的危険性が高まっています。
8. マネーロンダリングとは何ですか?
マネーロンダリングとは、犯罪など違法に得た収益金の流通経路などを隠して正当な手段で得たお金と見せかけることで、一般市場で使っても身元がばれないようにする行為で、資金洗浄や資金浄化とも呼ばれています。
カジノ賭博場がマネーロンダリングに利用される危険性は度々指摘されており、マカオのカジノ賭博を通じて中国の官僚などが集めた多額の資金や、 北朝鮮が武器や麻薬輸出によって獲得した資金が、マネーロンダリングされている疑いがあるとの報道もなされています。
9. 公営ギャンブルやパチンコを放置して、カジノ賭博合法化に反対するのはおかしくないですか?
既存ギャンブルである公営ギャンブルやパチンコによって、すでに多くの方が苦しんでおられます。
私たちは、こういった方々に対する必要かつ適切な支援が社会的に行なわれること、また、こういった問題が生じないような仕組みを講じていくことが必要であると考えています。
10. カジノ賭博合法化で海外から観光客が増加し、さらには投資が盛んになり、雇用も増え日本の成長戦略に寄与、地方の活性化に寄与するのではないですか?
年間の訪日外国人の数は、平成28年、約2400万人に達しました。そうした人々が我が国に求めているのは、美しくて穏やかな自然、長い時間をかけて育まれてきた文化、 そして、そこに生活する人々のおもてなしも含めた風土ではないでしょうか。
日本でのカジノ賭博場展開を計画しているアメリカ等のカジノ賭博事業者によれば、日本版カジノ事業に、数千億円から数兆円もの投資がなされるそうです。 カジノ賭博事業者の計画は、これらの投資額を数年で回収するというものになっています。
彼らは、日本版カジノ賭博における最も期待される顧客は日本人であり、日本人が有している金融資産がターゲットとなっています。
カジノ賭博合法化によって、一時的、部分的に、税収増等の経済効果は生まれる可能性はありますが、一方で、それをはるかに上回る地元民を含む日本人の金融資産の流出、そして、荒廃し尽した地域の姿が残されることが懸念されます。
11. 世界ではすでに約120か国でカジノ賭博が合法化されているそうですが、日本ではどうして問題なのですか?
多くの国でカジノ賭博場が合法的に設置されているのはたしかです。 しかし、その実情はさまざまで、欧州ではリゾート地に併設された小型のカジノが一般的ですし、北欧では公営ギャンブルとしてかなりの厳格な規制下においているものが多く、 日本で想定されている民間のIR型カジノ賭博場が世界中で支持されているわけではありません。
そもそも、IR型カジノ賭博場は、宿泊施設、飲食施設、会議場、遊園地等のさまざまな 施設の複合体の一角に設置されることになります。このことは、家族で出かけていく先に合法的賭博場が設置されているということを意味しており、 子どもも含む国民において、賭博に対する抵抗感を喪失させてしまう効果を発揮してしまうことが懸念されます。
12. ギャンブル依存症対策を推進するためにも、カジノ賭博合法化を推進すべきではないのですか?
ギャンブル依存対策は、我が国のギャンブル被害の実情からすれば、カジノ賭博合法化の適否とは無関係に、即時取組むべき問題です。 我が国で想定されているカジノ賭博は、これまでギャンブルにはまってこなかった層を顧客とすることを想定しています。 そうであれば、カジノ賭博が合法化された場合、カジノ賭博をきっかけにしてギャンブルにはまり込み、ギャンブル依存状態に陥っていく人が新たに生じることは容易に想像できます。 そういった方々の犠牲のもとに、ギャンブル依存対策を推進するというのは根本的に誤っています。
13. 世論の動向はどうですか
2016年11月30日、カジノ賭博合法化法案が突如として審議入りした後、新聞各紙は、 例外なく、同法案に対する反対、あるいは、慎重との社説を掲げ、行なわれた各種世論調査においても、反対意見が賛成意見を大幅に上回っていました。
こうした傾向は、カジノ賭博合法化法が成立した12月15日以降も変わりなく、共同通信の世論調査でも反対意見が69%に達しています。
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